こんにちは!
今回は原子や分子の重さについて考えてみましょう。
今回もモルが登場します。
モルについてはモルの計算 準備編で触れているので、
化学が苦手という方はぜひ読んでみてください。
重さの基準
原子の重さはどのように決まっているのでしょうか?
実は基準があります。
それがこちらです。
炭素を基準にしています。
相対質量
相対質量とは、
ある原子1molを集めた時の相対的な質量です。
その基準として炭素を使っています。
では例を見てみましょう。
炭素の相対質量は12(基準)
酸素の相対質量は16です。
原子量
原子量とは相対質量の平均です。
話がややこしくなってきましたね。
先ほど相対質量についてお話しました。
実は、同じ原子でも相対質量が違うものが存在するのです。
塩素は相対質量が35の塩素と、37の塩素が存在します。
それぞれの存在比は75:25です。
相対質量の平均をとって、原子量を求めると、
となります。
塩素の原子量は35.5です。
また、
原子量には単位はありません。
分子量
分子の相対的な重さを表しているものです。
こちらも炭素を基準にしています。
分子量は原子量の和になります。
例を見てみましょう。
水の分子量は18となります。
分子量も単位がありません。
モル質量
物質1mol当たりの質量のことです。
単位はg/molです。
数値自体は原子量、分子量と同じになります。
ただ、原子量や分子量にg/molという単位をつけただけのものです。
例
炭素原子 C 12g/mol
水素原子 H 1g/mol
酸素分子 O₂ 16g/mol
水 H₂O 18g/mol
ややこしいですが、
モル質量と原子量、分子量の違いとかは気にする必要はありません。
単位をつけるかどうかの違いです。
実際、明確に区別している人は少なく、テストでもテキトーなことが多いです。
まとめ
色々と話してきましたが、
ざっくり言うと、
原子量、分子量 C=12を基準とした相対的な重さ
モル質量 物質(原子、分子)1mol集めた時の重さ(g/mol)
となります。
頭の中では、
原子量 原子1mol集めた時の重さ(単位なし)
分子量 分子1mol集めた時の重さ(単位なし)
モル質量 物質(原子、分子)1mol集めた時の重さ(g/mol)
と考えてもらっても大丈夫です。
最後に
ここでつまずく人はたくさんいます。
原子量、分子量、モル質量とややこしいことが多いです。
ですから、自分なりに頭の中を整理することが大切です。
はじめは大変ですが、ガンバってください。
最後に練習問題をのせます。
「molの計算が苦手だなあ」って思う人は、
ぜひ取り組んでみてください。
練習問題
➀
H(水素原子)の原子量は1です。
H₂(水素分子)の分子量はいくつですか?
H₂はHが2つでできているので、
1✕2=2
➁
O(酸素原子)の原子量は16です。
O₂(酸素分子)の原子量はいくつですか?
O₂はOが2つでできているので、
16✕2=32
➂
炭素原子1mol と酸素分子1molを反応させました。
二酸化炭素は何g生成されますか?
少し難しい問題ですね。
化学式はこうです。
C + O₂ → CO₂
炭素原子1molと酸素分子1molから二酸化炭素は1mol生成されます。
よってCO₂の分子量は
(12✕1)+(16✕2)= 12 + 32 = 44 44g
C 1mol O₂ 1mol
となります。
単位を見てみると、
単位も計算されていますね。
単位を考えると計算がわかりやすくなります。
計算問題の単位について、
以前に紹介したのでぜひ見てください。